AKB48の人気低迷は本当か?K-POP進出に関する考察とその先

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どーも!某 (@bou7254)です!

AKB48関連の記事がYahoo Newsに上がっていたので、アイドルファンとしてちょっと感想を書いてみる。

ちなみにAKB現場には最近全く足を運んでいないので、にわかファンの戯言です。

AKBの凋落は本当か?

まず初めにこの記事の筆者によると、AKBの凋落をいくつかのデータから明らかにしている。

そのデータは以下の3つだ。

AKB凋落を表すデータ

  1. AKB総選挙の視聴率
  2. オリコンチャート
  3. ビルボードチャート

それぞれについて考えてみたい。

① AKB総選挙の視聴率について

まずは①のAKB総選挙の視聴率について考えていく。

筆者はAKB総選挙の視聴率が年々減少していることを指摘している。実際に記事に載っていたグラフが以下になる。
Image from Gyazo
図1: AKB総選挙視聴率の推移[1]

確かに、グラフを見ると2013年では20%まで伸びているが、2018年では11%程度に落ちている。

ただし、ここで考慮すべきはフジテレビ自体の視聴率がどれぐらい落ちているのかということ。最近はテレビ離れと言われていて、実際に各テレビ局の年間視聴率も下がっている。以下にガベージニュース様が作成された各局平均視聴率のグラフを載せる。

Image from Gyazo
図2: 各局平均視聴率[2]

これによると2009年度から2017年度また約8%視聴率が低下している。このことから考えるとおおよそ総選挙の視聴率とフジテレビの平均視聴率は相関していると考えられる(別に統計的に見たわけではないから厳密には違うかもですが)。

要するに**『総選挙視聴率の低下=AKB人気の低下』とは言えない**よねという話。(テレビ中心のタレントは人気が落ちる可能性ありと言われればその通り)

②,③ CDチャートについて

①の総選挙の視聴率以外にも、②,③のCDチャートについて議論していた。

筆者の話をまとめると、オリコンチャートは基本的にCD売り上げのみだが、ビルボードチャートは配信なども含めてランキングしている。オリコンチャート上では人気が健在に見えるが、ビルボードチャートでは近年ランクインしているのは一曲だけという指摘。

これに関してはデータから言える意見として正しいと思う。総合ランキングで見れば世間からの認知率は落ちている。

AKBはライト層だけが離れた?

筆者はこれらのデータを総合してAKB人気が低迷していると述べているが、それはその通りだと思う。

ただし、オリコンチャートは維持できていると思っている。その一方でビルボードチャートで落ちているのは、配信とかで購入していたライト層、あるいはファンですらない人達が離れていったのが結論だと思う。すなわち、ファン以外への人気・認知度が落ちてしまったということだ。

一方で、「Teacher Teacher」が300万枚以上を売っているように、CDを購入するようなミドル・ヘビー層に関しては問題なく維持できている。売り上げだけ見たら前よりもミドル・ヘビー層の支持数が増えていることも考えられる。

筆者も述べている通り、インターネットの発達から『広く皆に人気なもの』というのが難しくなりつつある。そういう意味では固定ファンをこれだけの数維持できているのは、ビジネス的に見れば凄いことだと思う。

K-POP進出に関して

PRODUCE48に関しては、個人的には重要なことだと思った。これが誰のどういう思惑でこうなったかは知らないが、一応韓国側から一緒にやってみないかと誘ったようです(出典は忘れたので、勘違いの可能性あり)。

秋元康は思惑を練るタイプというより、面白そうだったらとりあえずやってみるという日本人っぽいショットガン型のプロデューサーだと思っているので、AKBのダメな部分(歌唱力・ダンススキル)が露呈してしまったからまずいってことはないと思う。

K-POPの方がダンス・歌唱力において優れているのは分かっていたことだし、刺激になって夢を追えるメンバーが増えたのはいいことだと思った。

トレーニング(ダンス、ボイトレ)に関しては、前々から分かっていたことですが、ちゃんと成長することができる場にするべきだとファンとしては思う。元々AKBは夢に向かって頑張るためのステップという位置づけじゃなかったっけ?K-POPで言えば事務所に入った練習生みたいな感じをイメージしてたと思うんだけど。

なんとなく韓国事務所所属の練習生を見ていると、これがAKB劇場で本来やろうとしてたことじゃないの?と思ってしまった。

言いたいことがまとまらなくなってしまったけど、**『運営にはシステムを見直すチャンス・メンバーには夢を追うための刺激』**になっていたらいいなと思う。

PRODUCE48やIZ*ONEについてはまた別記事で書きます。

AKBは窮地に追い込まれているか?

筆者はAKBとグローバル基準という観点で色々書いている。あまりグローバル基準という言い方は好きじゃないんだけど、要するにアメリカっぽい・イギリスっぽい・カナダっぽい音楽ですね。

そういう観点で言うと、K-POPがグローバル基準というのは概ね正しいと思う。インターネットが主流の世代に関しては世界的な認知度も高いと思う。何より楽曲を作るのに欧米のプロデューサーを使ったりしてる[3]ので、聞き馴染みが良いのはある意味当たり前だしね。

秋元康も言っているようにAKBは甲子園(部活みたいなもの)なので、別にグローバル(メジャーリーグ)を意識して争う必要はないと思う。今はそうじゃないと思っている人が多いのかも知れないけど、あくまでステップアップの中間地点がAKBだったはずなので。人材流出とも書かれているけど、それでいいんです。むしろそれが本来あるべき姿だと思う。

楽曲に関しても別にグローバルを意識する必要はないと思う。日本は歌謡曲が中心でそこから派生したガラパゴスな音楽でいい。とんでもなく面白いなと思う曲が出てくる時もあるしね。さっきも書いた通り、今後は皆が大好きというのは難しくなっていく。BABYMETALも「世界で売れてる!」と言われてるけど、欧米で聞いてる人はメタルを聞く一部の層だろうし、同様にアニソンだって一部の人だろうしね。ただそれでもビジネス的にはうまくいっているので何も問題はない訳で。

ただしそれとは別にAKBの最近の曲に関しては、残念なことが多い。客に合わせてデザインしすぎなんじゃないかな。IZ*ONEの『好きと言わせたい』に関しても、悪い曲じゃないんだけど、失敗したくなくて無難に作ろうとした結果あんまり刺さらなかった感じ。

K-POPファンにJ-POP聞かせて「あんまり好きじゃない」「ダサい」はそりゃそうなるでしょと思う。所謂K-POPペンみたいな人達じゃなくて、日本のオタクからも人気出たら強いよねっていうのを狙ったんだと思う(個人的にうまくいってないと思うけど)。

https://www.youtube.com/watch?v=dLymsYC7Kmo

日本のアイドルのスタイルは今のところ日本にしかないし、無理にグローバル視点を意識する必要はないと思う。そういうグループを作りたければ別に作ればいいし。メンバーを育てたり、もっと魅力を引き出すっていう意味ではKPOPを見習うところも多いと思う。練習法の問題なのか、mixの問題なのか、楽曲の問題なのか。bump.yのkiss!とか大分変わったもんね。もうYouTubeにMVすら残ってないけど。

とりあえず言いたいのは、無理してグローバルを意識する必要はあるのか?ということです。国内市場があるんだし、海外っぽい曲を作りたければAKBではなく、そういうグループを作ればいいと思います。

AKBの未来について

国内市場の中でミドル・ヘビー層が確保できているので、グローバル基準を意識した楽曲がない+ビルボードで落ちてきたからといって特に問題はないと思う。

ただしAKBのエンターテイメント性っていうのはメンバーというキャラクターを応援している部分+日本的な楽曲にあると思うので、その観点で行くと最近はNGTのことも含めて良くないニュースが多い。結局のところ運営の管理体制の問題なんだろう。

言葉や理念は人によって解釈が変わっちゃうから、綿密にコミュニケーションできないならシステムやマニュアルをしっかり作らないと、繰り返されると思う。組織として危うい。

AKBが商業的な成功を維持するためには、メンバーのキャラクターを大事にする運営をして欲しいなと思います。

脚注
  1. 総選挙中止から見るAKB48の曲がり角──AKB商法の機能不全、「パンドラの箱」だったK-POP進出(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース, < https://news.yahoo.co.jp/byline/soichiromatsutani/20190321-00119018/ > ↩︎

  2. ガベージニュース, < http://www.garbagenews.net/archives/2020115.html > ↩︎

  3. K-POPの世界的ヒットの裏には、北欧プロデューサーの存在がある | Fika, < https://fika.cinra.net/article/201811-kpop > ↩︎